こんバンブー。136cmです。性懲りもなくコジ×キリ。
9話の後、俺の脳内ではこんな感じで裏話があるに違いないと。


見栄切ったのはいいけど、本当は不安。
そう思いながら、一人道場でぼーっとしている。
そんな予感がして、ついつい練習後に道場へと戻ってきてしまったキリノ。
しかし、そこには・・・
「せんせーが竹刀振ってるなんて、めずらしいねー。」
「うっせーっ、ほっとけ」
胴衣も着ずにカッターシャツ一枚で汗を飛ばしながら、一心不乱に素振りをしている
コジローの姿があった。
気苦労だったかな・・・と、そのまま帰ってしまうのも勿体無いので
端の方へ行って少し見学でもしようと思い、そちらへ向かっていくと
「・・・せんせー、まだ食べる気なんですか?」
カップメンの準備がしてあった。ポットの温度は98度。沸騰中。
蓋はすでに開いており、やっぱり増えるわかめが入っていた。
「就直室においてあったのをぱくってきた」
そういうことを聞いてるわけでもなければ、何教師が平然とぱくってきてるんですか。
っとか思いながら、給湯器に手が届くすぐそばでキリノは正座をする。
しばし無言。シーンとした冷たい空間に、竹刀が風を裂く音と、
コジローが時折発する気合の掛け声だけが鳴り響く。
キリノは目を閉じてその音を聞く。
達人・・というわけでもないので、音を聞いただけで力量やら心情やら、
そういったことがわかるわけではないのだが・・・。
私はこの人の、迷いがない時の音を知っている
と、今コジローは迷いやら不安を断ち切っているのだ。それだけはなんとなくわかった。
ぶんっぶんっっ とリズム良く鳴らされる音は、なんだか心地よくキリノは気づけば・・・
・・・
・・・・・・
「・・・ぉーい、キリノ?」
「・・・へ・・・って、あ、うわぁ!」
気がつけばコジローはキリノの目の前に座っていた。
「なんだぁ、部活の後で疲れてるのか?」
シャツがぺっとり張り付いて、汗が顔のラインにそって滴り落ちて・・・
キリノは思わず見とれてしまう。
黙ってればカッコいいのに。あくまで体育会系のかっこよさだけどさ。
「あ、うん、ごめんね。ついうとうとーってしちゃってた」
そっか、といいながらコジローはカップメンに湯を注ぐ。
あ・・・っと気づいた時には時すでに遅し。せめて疲れてるであろうコジローの代わりに
お湯くらいは注いであげようかと、せっかく給湯器の近くに座ったのに・・・。
みょーんとした少し切なそうな表情でカップメンを見つめていると
「お前も食うか?」
「いあそうじゃないんだけどねー・・・」
あははーと空笑い。
コジローは道場の足元の壁についてある通風孔のそばへ、カップメンを置きキリノの正面に
座り、胡坐をかいた。
「で、何しにきたんだ?」
「いやー、大見得切ったのはいいけど凹んでまた空気化してるんじゃないかなって思ってさー。
 あたしの気苦労だったみたいだけどね、あはは。」
「いあ、お前の来るほんの数分前は本当にそんな感じだったんだけどな。」
「え?」
「此処最近のお前たちに影響されたのかな。あんまり凹んでてもしょうがないなって。
 とりあえず竹刀でもふって発散させるかなーなんてなっ。
 ・・・まあそういうとこはタマの影響が一番でかいのかもな。」
そこで少し胸がチクリ。自分自身の気持ちに敏感なキリノはその意味にすぐ気がついた。
ああ・・・タマちゃんに嫉妬なんてしても仕方ないのに。
あたしはこの人を甘やかしてただけなのかなと、キリノはふと思ってしまう。
ううん、でもきっとそういうことでもない。それに・・・マイナス思考はらしくないと自分に一喝する。
「それで、発散はできました?」
キリノはコジローの目を正面に据えて、聞く。
すると見る見るうちに、キリッとしていた顔立ちが、それに付属してる体が
へにゃへにゃと崩れはじめた。
「もうだめだぁぁぁぁ・・・」
あああ・・・やっぱり。でも先生には悪いけど、こうであってくれたほうが安心しちゃう・・・
なんてのはあたしの我侭かなぁ・・・となればやっぱり、あたしにできることは一つ。
っとキリノは正座していた足を崩し、太ももの上をポンポンっと叩いておいでおいでしてやる。
「・・・くすっ。せーんせっ。」
「キリノオオォォォ・・・」
崩れていたコジローは、虫が餌を見つけたようにガサガサっと、キリノの膝の上をのぼってくる。
そして膝枕の形になり、その少女の温もりを数十秒ほど堪能する。
少し癒されたことを自分自身の内で確認した後、軽くため息をつきながら
「すまねぇな。今度こそは無理かもしんねぇ。」
顔をキリノとは逆向きに向けたまま言う。
・・・だよねぇ。全国大会だもんねぇ。でも・・・
「大丈夫ですよ!今のあたしたちはノリに乗っちゃってるし、なにより・・・」
先ほど、しても仕方のない嫉妬をしてしまった相手。剣道部の切り札、
みんなを勇気付けてくれる張本人。
「タマちゃんが居てますから!」
そう強く言う。そうだな、と、コジローは顔をキリノの方に向けると・・・
一番見たかったであろう、輝きに満ちた目、全開の笑顔。それが眼前に広がっていた。
「・・・ぁ、ちょっと煩かった?」
「いや、まあそうだな。俺たちにはタマが居る。そして皆にはお前も居るんだ。」
キリノ、お前が皆のお姉さんで居てくれるから、皆が安心して試合に出れるんだ。
少し気を使いすぎてから回りしちゃったり、天然の割りには頭がよく回転したり、
人が気づきにくいことに気づいたり、そんなお前が皆は・・・俺は・・・。
「あ、あたしなんて、もう皆に教えれることはないし、精々先輩面して、
 皆のテンションをあげていくことぐらいしか・・・」
「そんなことはない。お前が居ないとうちの部はグダグダだぜ?
 みんな性格に癖が強いからな。そんな皆をまとめられるのはキリノだけだと思うぞ。
 それに・・・」
顔を太ももの方へと圧力をかけて、ぐりぐりとする。
「ちょ・・ちょっと、せんせ。」
「俺がこうやって甘えられるのは・・・お前だけなんだよ・・・キリノォ」
もう・・・しょうがないなぁ。
汗で湿気ってしまっている髪を、そっと撫でてやる。
子供のようにあやされているような感じもするが、コジローはそれが嫌ではなかった。
手のひらから伝わってくる、優しさがとても心地よかったのだ。
それでも、少し恥ずかしいことには変わりなく、いつものようについつい
「ほんと、汗の臭いが好きなんだな」
「あたしにとって汗の匂いは青春の匂いですからねー。」
悪態をついてみたつもりなのだが、軽く交わされてしまう。
なんのこれしき。
「じゃあこのままでも大丈夫だな・・・」
「え、ちょ・・・」
撫でられていた手をぎゅっとつかみ、体を起こしたコジローはそう呟く。
顔と顔が近い。
吐く息も、鼓動も体温も動揺も、全部伝わってしまいそうな至近距離。
キリノの優しさに触れるたびに、コジローはそういう気持ちになってしまう。
湧き出る激しいほどの欲情・・・性欲。
「先生・・・あ、ンっ」
唇を唇で塞ぐ。リップクリームの甘い匂いと独特の感触が伝わってくると、コジローは
掴んでいた手を離して腰へと回すと、その勢いでキスを深くした。
何度目のキスだろう。コジローの舌がキリノの舌を絡めとろうとすると、
それを受け入れるように、そっとキリノの方から少しだけ手前に出してくる。
互いの唾液が混ざり合うと、鼻息がかからないようにと、息を潜めているキリノの
呼吸が苦しくなるまで、自分ではない、別の生物のいとおしい感触を味わった。
「ん・・・」
苦しそうな声を耳にすると、すぐにコジローは顔を離し、目を閉じてしまっていた
キリノの瞳が開くのを待った。
悪いな、キリノ。ここから先も俺は止まりそうに無い・・。
すぐさま瞳が開く。その中には我慢できずにキリノを求める自分の顔が映っていた。
「えっと・・・ラーメン伸びますよ?」
「ラーメンより、お前が食べたくなったんだ。」
意識が一瞬ラーメンの方へ行き、良い匂いを感じる。が、とっくの昔に3分なんてものは
経っており、きっとノビノビ何だろうなぁ。だったらあたしの方がおいしいのかな。
なんて馬鹿な考えをついついしてしまう。
「にゃはは。何だか色気の無い台詞だね・・・。」
コジローは腰に回した手にしっかりと力をこめ、キリノが痛くないようにと
ゆっくりと体を倒していく。
こんなところを見られた方が、一発で学校に居られなくなるような気がするんだけどなぁ。
そう思いながらも、自分の腰に伝わる力を感じると、まあなる様になるよねー。という
気持ちとなって、子供のように我侭な目の前の男の子の好きにさせてあげよう・・・
そんな気持ちも湧いてくる。それが何だかおこがましく、同情なんかじゃないと
自分に言い聞かすためにフォローしてやる。
でもね、コジロー先生だからこんな気持ちになるんだよ。他の人なんかじゃあここまでのこと
・・・してあげられないよ。


多分これもティーンズラブなテンプレくさい。けど俺はこういうのが大好きなのさぁぁ。
突っ込みはいつでも大歓迎だぜっ!
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